耳コピを早くするための理解 その4の例「紅」X JAPAN
紅だァーーーーーーーッ!
X JAPANを代表する名曲、紅(くれない)のキーはなんなのでしょう?それを知るために、サビのメロディーを少しだけ耳コピしてみましょう。
X Japan Kurenai from The Last Live- HD
YOSHIKIがアップロードしてる公式のライブ映像、だと思います。サビのわかりやすいメロディーは5:32~から。
自分で音源持ってる人はそれ聴いてね。ライブ盤、ちょっと音外してるので
耳コピしてみよう
「紅に染まったこの俺を 慰める奴はもういない」の部分、8小節です。
ギターとかベースのチューニングは半音下げなんだけど、とりあえずメロディーはレギュラーチューニングのギターで追ってみましょう。
1弦上のみでやってみたものが下になります。ここまでしなくても、自分がわかる範囲でメモをしておきましょう。書く事が大事。
見当を付ける
8小節目の1弦4Fがサビの最後の音になりますね。つまり、この音がキーの主音である場合が多いので、キーをA♭と仮定してみましょう。
さて、メジャーかマイナーか?明るい・楽しいのがメジャーで、暗い・ダークでカッコいいのがマイナーという何となくの法則に当てはめてみると、紅はマイナーかもしれません。
つまり、紅はA♭mだァーーーッ!!と見当をつけることができます。
では、スケールを追いながら本当にそうなのか確かめてみましょう。
A♭mの構成音をおさらい
おさらいといっても今まで出てきてないですからね、いまから作りましょう。
例によって1つ弦を決めて、その上のA♭の音から全音半音の規則に従って音を並べていきます。マイナーキーの規則は、「全半全全半全全」となっております。
今回は1弦上でやってみました。みなさんもお好きな弦からどうぞ。
1弦上のA♭は4Fなので、そこから並べたものがこちらになります。主音は●、その他構成音は○で表されています。
これを各弦で同じことをやったものがこちら。
横の縮尺が少し違いますが気にしないでください。
これがA♭mのダイアトニックスケールになります。
さて、先ほど耳コピしたメロディーはこれに当てはまるのでしょうか?
照らし合わせる
改めて、紅のサビです。1弦上で使われている音のフレットを重複しながら抜き出すと、
7 6 9 11 4 2
となります。並び替えることで
2 4 6 7 9 11
を得ます。ここでA♭mの1弦上のダイアトニックスケールをもう一度見てみましょう。
これも数字を抜き出しオクターブの重複を無視すると、
0(開放弦) 2 4 6 7 9 11
となっております。
耳コピしたメロディーがA♭mのダイアトニックスケールに含まれていれば、そのメロディーはA♭mである可能性がある、となります。
メロディ:2 4 6 7 9 11
A♭m :0 2 4 6 7 9 11
含まれていますね…!しかもかなりのシンクロ率です。これはA♭m説濃厚ですね!
ほかの可能性はないのか?
俺の中ではもうA♭mで確定したいとこなんですが、一応ほかの可能性がないか考えてみましょう。つまり、別のキーでもこのメロディを含むものはないか?ということです。まずはメロディの方をおさらいしましょう。
メロディで使われている音を並べたものです。
ダイアトニックスケールは7音で構成されているので、1オクターブ内に7音あることが必要です。では上の図ではどうでしょう?2Fから13Fまでの音の数を数えると、6音しかないことがわかります。では足りない音は何か?
また、各音の音程は全音か半音です。つまり音と音の距離は隣かひとつ離れているか。上の図を見ると、11Fから14Fまで2つも離れています。つまりこの間に1音、まだ隠れているということです。その音が12Fか13Fか?これによってキーが決定されます。
12Fに置かれたものがこちら。今まで主張してきた、A♭mです。
13Fに置かれたものがこちら。はたしてキーは何でしょう?2Fスタートで見ればF♯、11Fから見ればE♭m。紅はダークかっこいいから、あるとしたら多分E♭mでしょうか?
さあ、A♭mかE♭m、果たしてどっちなのでしょうか!?
わかりません
ごめんなさい、このメロディーでわかるのはここまでなのです。
あとはコードの響きで判断するしかないのです。あるいはベースライン。
正解を先に言っちゃうと、A♭mです。やっぱり最初の勘は当たってたんだ!(出来レース)
この情報量で判断する鍵は、サビの最後の音でしょうか?A♭で終わっているからっていうのは結構大事な情報かもしれません。というのも、キーの主音で終わることでメロディーに締りを与えるという効果があるからです。たしか、多分そんな理論あったはず。自信ない。
あとは頭の音。A♭mだったら主音に対してm3rdで始まる音で、E♭mからだとm6thから始まる音です。あまり6thから入る曲ってない気がするんだけど、ここについてはさらに自信がないのであまり大きな声では言えません。
あと言ってしまうと、この曲はギターソロ中に何度か転調しているので課題曲としてはあまり向いてませんね…なんでこれにしたのか…難しいのに…しかしI could not look back...
例を挙げて理解を深めることが大事と言いたかったのです。おわり。