ヘヴィメタルはEマイナーで出来ている
ヘヴィメタル
という音楽のジャンルがあります。どんなジャンルかというと、
速い、うるさい、重い、低い、高い、難しい、カッコいい、ダサい、ズゴゴゴゴゴゴゴドコドコドコドコイヤアァーーーーー
って感じですね。95割これです。
そんなヘヴィメタルですが、曲のキーは「大体」Eマイナーであることが多いです。いや、もちろん他のキーも沢山ありますけど。他のジャンルに比べるとEマイナーの比率は高いかと思います。ではそれは何故か?理由になりそうな要素を上げていこうと思います。
低い音を出したい
メタル好きな人の多くは低い音が大好きです。ギターも半音下げや一音下げは当たり前、7、8弦ギターなんかも使ってまで低い音を探求し続けています。
そんななかで一番スタンダードなギターの最低音はEです。従って低い音をメインに使っていきたい!というならEマイナーの曲を書く他にないというわけですね。
つまりは最低音にキーを合わせるという感覚です。ドロップDの曲ならキーはDマイナーが多いし、7弦ギターを使うならBマイナーが多いですね。
余談ですが、スラッシュメタルバンドMegadethのデイヴムスティンは「本当にヘヴィなリフはレギュラーチューニングでもヘヴィだ」と仰っています。音が低いからヘヴィ、というわけではないんですね。そこを勘違いしないようにしましょう。そんなMegadethが最近1音下げチューニングになっていることについてはノーコメントでお願いします。高い声でないからね、しょうがないね
コード押さえるのが楽
ギターを弾く上で必要になるコードですが、テンポが速くコードチェンジが忙しいメタルの曲中では、メジャーやマイナーなどのトライアドのコードよりパワーコードが多用される傾向にあります。理由は押さえ方が楽だからです。
そしてキーがEマイナーである時、一番使われるであろうEのパワーコードは1弦からxxx220と押さえればいいのです。
図1.Eのパワーコード 左図:ギターのTAB譜 右図:五線譜(ト音記号忘れました)
そう、6弦開放弦が使えるから楽なのです!暴論ですが、ギターは抑えるところが少ない方が楽なのです。似たような仕組みで次の理由も。
速いリフが弾きやすい
6弦開放をブリッジミュートしながら刻み、コードのトップノートが動いたりするようなリフがメタルには沢山あります。
例1.Painkiller / Judas Priest 0:17~よりリフです
例2.Battery / Metallica 1:05~よりリフです
例3. Holy Wars...The Punishment Due / Megadeth
これがもし、Eが開放弦じゃなかったら…?そう、弾きづらいんです。弾きづらいから速くするのも大変、曲のテンポがあまり上がらない…メタルとして致命的ですね(速い曲にしたいのに速くできないって意味でね、スローでカッコいいのは別)。
そういった演奏面でいうとキーを開放弦に合わせるのが都合がいいのです。なのでEマイナー以外にも5弦や4弦の開放であるAやDに合わせだAマイナー、Dマイナーの曲も多いですね。
まとめると
ヘヴィメタルの重要なファクターである「速さ」と「重さ」を追求した結果がEマイナーという形になるんですね。モダンなメタルだとまた変わってくるんでしょうけど、80年代スラッシュメタルなんかだとほぼほぼEマイナーだと思います。
だからEマイナーのスケールだけでも覚えとくと、メタル系のセッションで役に立ちます。コピーも早くなります。メタラーの音楽理論の入り口にどうぞ。